CFRPとは?
CFRP、強化プラスチック、などなど様々な呼び方があり、スポーツ用品などではカーボン、と表現されたりもします。これらは、樹脂を繊維で強化した繊維強化プラスチックであり、その繊維が炭素繊維である場合に、炭素繊維強化プラスチック=Carbon Fiber Reinforced Plasticと言います。
強化繊維としては、炭素繊維だけでなく、ガラス繊維も使われており、一般家庭にも普通のプラスチックよりも頑丈なコンテイナー、トレイなどによく使われています。
CFRPは、身近なものでは釣り竿、ゴルフシャフトなどがあり、圧力容器、飛行機の構造部材などにも多く使われています。
CFRPには様々な種類があるので、CFRPと聞いた時には、それがどういうCFRPなのか、理解しておくことが大事です。
CFRPの基本パラメータ
力学特性を決める繊維長さ、繊維含有率、繊維方向
CFRPの大事な特性である、力学特性は、元の繊維と樹脂の材料特性を無視すると、
- 繊維長さ
- 繊維含有率
- 繊維配向方向
で、ほぼ決まります。そして、この三つは、連動して上下します。例えば、一方向に繊維を配向したら、自ずと繊維含有率は高くなります。繊維を短くしたら、自ずと繊維の配向は乱れて、繊維含有率は低下します。
そして、繊維が短く、繊維含有率が低いほど、成形性は向上し、より複雑な形状に成形することができます。したがって、力学特性は成形性と基本的にはトレードオフな関係にあるといえます。

熱特性、化学特性
これらは、ほぼ樹脂で決まります。炭素繊維自体は500℃程度までは特性を維持しますし、繊維に付着するサイジング剤も樹脂に比べると微量であるため、基本的には大きな影響はもたらしません。
電気特性
CFRPの電気特性は、上記の繊維の長さ、繊維含有率、繊維配向で変化します。繊維自体は高い導電性を有しますが、樹脂は導電性が低いので、繊維同士が接触していないと導電性は低いままです。導電性を高くするためには、繊維含有率を上げる、繊維を長くするなどの工夫が必要です。
CFRPの形態と成形方法
上に述べた、長繊維が一方向に配向したCFRPはUD材(Unidirectional)と呼ばれます。UD材は主にプリプレグという中間基材を用いて成形されます。そして、短繊維く、ランダムに配向したCFRPは主に射出成型や押し出し成型によって成形されます。以下に、一般的に知られているCFRPの成形方法を示します。

(繊維長は目安)
(樹脂の列がYesでない箇所でも、実施されている場合があります)
このように、要求される強度や形状によって、さまざまな方法でCFRPは成形されています。
CFRPの未来
また、時代は変わるもので、CFRPに関連する技術も進化しております。こちらに関連記事を貼っています。個人的に着目しているのは、AFPと3Dプリント(Additive manufacturing)です。ロボット技術、ソフトウェアの進化とともに、成形方法も進化しています。それに合わせた材料自体の進化も必要となるでしょう。
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